たむらしげるさんをご存じでしょうか。
シンプルな線と優しい顔をしたキャラクター達、宇宙を思わせる浮遊感のある
幻想的な世界を見せてくれるイラストレーター、絵本作家さんです。
10数年前にファンタスマゴリアという漫画がありまして(絶版)
その漫画が大好きでファンになりました。
この漫画は今でも本棚に1巻2巻大切に保管してあります。
本は捨てても読めるから断捨離をといいますが、
本当に大切な本は手元に残しておくほうがいいと思います。
ファンタスマゴリアのこの漫画は電子版もなくネットで数万円になっているからです・・・。
今回はそんなたむらしげるさんについて書いてみようと思います。

TVstationの表紙でおなじみ。たむらしげるさん
本名は田村茂さん。
1949年産まれの、絵本作家、イラストレーター、映像作家さんです。
週刊誌TVstashionの表紙を描かれているので
きっと多くの方が目にしたことがあると思います。
静寂と夜の美しさを教えてくれる。たむらしげるさん「よるのおと」
たむらしげるさんの良さといえば、
この透き通ったブルー。
海のような深いあの色をどうしてこんなに美しく再現することができるのでしょうか。
1枚の絵に吸い込まれるようなこの世界観。
宇宙や海、星、空、自然に囲まれたこの静かな世界でいったいどんなストーリーがはじまるのか…
そんな思いに駆られるのと、自分で想像して物語を楽しむことだってできますね。
たむらしげるさんのイラストには感受性を豊かにさせる力があるような気がしてなりません。
水の感覚と不思議な世界へいざなう、そんな世界へ私たちを連れて行ってくれるのです。
この絵本は「音」に着目した絵本。
池のほとりに建つ一軒のお家。
そこに向かう男の子の姿。
後ろには汽車が走り、虫の声、遠くで聞こえる汽車の音、カエルの鳴き声…
夜空にはまん丸のお月さま。
こんな世界に行ってみたい…そう思わせる世界観。
都会の喧騒とはかけ離れたこんな世界…。
ちょっと宮崎駿さんの千と千尋の神隠しに出てくる銭婆のお家に向かう世界と似ていませんか?
あの素敵な世界観が好きな方なら、きっとこの絵本も気に入ってくれるのではないでしょうか。
東京で暮らしているとあらゆる「音」が聞こえてきます。
耳栓をしていても「静寂」といえる瞬間に出会うことはほぼありません。
電車に乗ればスマホをしていない人を見つけるほうが難しい。
それだけ情報過多になっているいまだからこそ、
電子版ではなく、この絵本をじっくりと「めくり」ながらその「音」を想像しながら
「瞬間」を大切に感じることができる絵本だと思います。
生き急いでしまいがちないま、じっくりと「今」を感じ取ることができる絵本なのではないでしょうか。
スピッツの草野マサムネさんを思い出す世界観
たむらしげるさんの絵本には虫やロボット、宇宙…などいろんな生き物が出てきます。
そして詩的で空想的な世界観が特徴。
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引用:八王子市夢美術館より
たむらさんの絵本を読むと、スピッツの草野マサムネさんを思い出すします。
スピッツの「みなと」や「水色の街」や「渚」を思い出しました。
たむらしげるさん×スピッツのコラボ作品なんてあったらななんて思いました。
草野マサムネさんが書く詩にも、虫や宇宙、猫、海、川、動物たちが多く出てきます。
そしてロボットでは「夢じゃない」のPVなど。
悲しいけど幸せ…そんな言葉を思ってしまうこのPVと歌詞。
たむらしげるさんもスピッツの世界も
「どこか儚くて切ない」そんな風に感じるのです。
きっとスピッツ好きな方ならたむらしげるさんの幻想的で美しい色の世界、
きっと気に入ってもらえるのではないでしょうか。
ちなみに私はスピッツが大好きです…!
もし気になったら手に取ってみてくださいね。