最近、絵を描きましたか?
らくがきでも本格的なデッサンでもなんでも。
大人になると「絵を描く」ことってなくなります。
子供のころ裏側が白いチラシを探しては、絵をかいていました。
「絵を描く」ということがとても好きだったんだと思います。
けして上手くはないけれど…絵を描くということは今もこれからも続けていきたいと思っています。
今回は銀座にたたずむ小さな画材屋さん「月光荘」というとても素敵でただの画材屋ではない
「人生で大切なことを教えてくれる」お店に行ったお話を書いてみます。
よかったらお付き合いください。
月光荘おじさんがつくった、創業100年の老舗「画材店」。
月光荘おじさん。それは月光荘の創業者の橋本兵蔵さんのこと。
銀座にひっそりと佇む画材専門店「月光荘」の看板の文字は与謝野晶子さんによる直筆の書体だそうです。
「大空の 月の中より君来しや ひるも光りぬ 夜も光りぬ」
芸術家の作品が太陽だとすれば、絵の具屋はそれを支える月の光。良い時も悪い時も、変わらずに照らし続けなさい。
書籍 「人生で大切なことは月光荘おじさんから学んだ」より引用
与謝野晶子さんが開業した当時、詠ってくれた言葉だそうです…。
とても素敵だと思いませんか。普段何気なく使っている日本語ですが、日本語ってこんなにも美しいものなんだなあとしみじみ思うのです。
月光荘おじさんは与謝野晶子さんだけでなく永井荷風さん、藤田 嗣治さんなど大正・昭和の文化人と交流があったそうです。
多くの文化人に愛されたお店。
月光荘は大正6年に創業され、完全オリジナルの製品のみを取り扱う画材店。
日本で初めて純国産絵の具の開発に成功したということなので、その歴史と信頼は間違いないのです。
月の光に太陽…永井荷風…文化人…。
なんとなく私は勝手にエレファントカシマシの宮本さんを思い出してしましました…!
色とりどりのスケッチブックに絵具。絵本作家・いわさきちひろさんが愛用されていたそう。
月光荘を知ったのはいわさきちひろ美術館に行ったときに月光荘の鉛筆とスケッチブックがいてあったのがきっかけです。
このえんぴつをはじめて使ったとき衝撃を受けました…。
なんて描きやすいんだ・・・・!と。
濃さは8Bのみですが、するするっと心地よい書き味!
そして重要なのが、このえんぴつで描くと他の鉛筆より上手く見えるんです…!笑
このえんぴつで描き始めるとこの描き心地がよくてずっと描いていたくなるんです。
以前、絵画教室に通っていたころデッサンの勉強をしていたので、いろんなえんぴつを試す機会があったのですが、こんなえんぴつは初めてでした。
この少し太ったフォルムも持ちやすく、そのあたりも描きやすさの秘密なのかもしれません。
そしてスケッチブックの美しくておしゃれなカラーも魅力的。
サイズも紙の質も選べるんです。
もし絵は描かないけれど興味があるならスケッチブックとえんぴつをお勧めします。
私はアイデアノートとして使っていました。いまはツバメノートなので、これが終わったら今度は月光荘にしようともくろんでいます…!
絵具だけじゃなく、雑貨やポストカードの販売もしている!便箋が素敵…!
画材専門店「月光荘」なのですが、絵を描かない人には用がない…。
そんなこと言わないで…!
月光荘にはなぜか画材専門店でありながら便箋や封筒やポストカードに鞄に鏡まで売っているのです…!
「店に来る絵描きさんの恋びとやら、絵は描かんでも手紙は書くじゃろが」
書籍 「人生で大切なことは月光荘おじさんから学んだ」より引用
月光荘おじさんの粋な計らいとアイデア。
月光荘おじさんの言葉は現代でも生き続け、私のような月光荘ファンを魅了し続けてくれています。
月光荘ファンになったのはいわさきちひろさんがきっかけでしたが、実際に銀座のお店に行ってさらにファンになった理由があります。
それは店員さんたちのあたたかな人柄です…。
接客業だから、仕事だからではなく、接客のプロの方たちに失礼かもしれませんが、月光荘おじさんから引き継がれたやさしさやあたたかさを感じさせるのです。
「平和なとき、波風のないとき、人の本心はなかなか見えません。非常時になって初めてわかる。人の親切も真心も。人間に国境はありません。人の足元を見るような商売だけはしたくないのです」
書籍 「人生で大切なことは月光荘おじさんから学んだ」より引用
効率よく、結果がすべて、早くて安くて簡単…捨てては安く買う…。
そんな現代。もちろんどっちが良くてどっちが悪いわけでもなく、正解はないのです。
私はこの月光荘おじさんの考え方や生き方がとても好きなのです。
こんな人に少しでも近づけるように日々生きていきたいと思いながらも毎日ダラダラと過ごしています…。
もし少しでも「月光荘」や「月光荘おじさん」に興味が出たら絵を描かなくても。これから絵をはじめてみようかな…なんて思ってくださった方がいらしたら、ぜひ「月光荘」に足を運んでみてください。
とっても素敵あたらしい世界が待っています…!